世界はキラキラおもちゃ箱

私の仕事は神様が世界中に隠したキラキラおもちゃを探すこと。

プロセルピナ




ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ、19世紀イギリス、ラファエル前派。

この絵のモデル、ジェイン・モリスは、ウィリアム・モリスの夫人だが、ロセッティとも関係を持っていた。顔をそらし画家の方を見ようともしない女の顔は石のように冷たい。鉄面皮の下の心は、実はどちらの男も愛してはいない。これは偽物の美女なのだ。貞節を誓わず、金も愛も両方の男から奪おうとする女が美しいわけがない。ロセッティはこのような背徳の匂いのする耽美的な女性像を描き続けたが、やがて愛の矛盾に耐えきれず精神錯乱に陥ってゆく。女性存在の表面的な美しか見なかった男の、ひとつの到着点と言えよう。プロセルピナは冥界の女神だ。画家はこの女に、男を破滅の奈落に引きずり込む魔を感じていたのかもしれない。